第14回日本横断川の道フットレース完走記
2018年第14回日本横断川の道フットレース514km 完走記
川の道フットレースとは
毎年4月30日〜5月5日の間に開催される
日本横断レースであります。
ロードの1ステージレースでは日本最長距離のロードのマラソンレースになります。
総走行距離は日本横断ステージ(フル)で514km 制限時間132時間
千曲川〜信濃川ステージ(ハーフ)で254km 制限時間58時間
この大会はスポーツエイドジャパンの舘山代表が長年考えレースにするまで長い期間を要したと説明会の時にもお話しされておりました。
以下開催要旨から
日本を代表する大河、荒川(全長173km)と信濃川(長野県内では千曲川:全長367km)は、山梨県(甲州)、埼玉県(武州)、長野県(信州)の三国州に鎮座する甲武信岳によって、水流の行き先をそれぞれ太平洋と日本海に分けられている。荒川を太平洋から上流へと遡り、山間部を越えて信濃川沿いに日本海へと続く道を私たちは「川の道」と呼ぶことにした。
海から山へ、そして山から海へと2つの大河をたどる「川の道」は、荒川と信濃川のほぼ総延長にあたる520kmに及ぶ。
私たちは、ウルトラランナーにこの壮大でロマンあふれる「川の道」を走り抜くことによって超長距離走の醍醐味を味わい、そして何かを感得していただきたく、本レースを開催することにした。
私自身3回目の川の道ですがまだ川の道から感じ得た何かを皆様にうまく伝えられないのです…心の弱い自分との葛藤…己の魂を磨く旅…まだまだ上手く伝えられない
また今年も川の道劇場の幕が開きました。
4月29日
三軒茶屋の会場で午後から前日説明会が開催され久しぶりに会う仲間との会話が弾み同窓会の様な会場の雰囲気です!
注意事項、コースなどの説明がありました。
翌日のスタートが朝9時の為、少しでも睡眠時間を取りたいので毎年西葛西駅周辺のビジネスホテルに前泊します。
夕食を中華料理屋でTさん、Fさんと談笑しながら軽くビールをいただきました。
翌日の準備もあるから早めにホテルへ戻りました。
4月30日
起床してシャワーを浴びて眼を覚ます。
一階の食堂で朝食を食べてからタクシーでスタート地点の葛西臨海公園駅へ
早く到着したから参加者はまだ少ない
スタッフさん達は準備に走り回っておりました。このスタッフさんやボランティアの方々がいなければ我々参加者も走る事が出来ないのです。我々参加者よりも大変だと思います。感謝です!
時間と共に参加者、応援の方々で駅前は賑わってきました!
参加者よりも応援の方々の方が多いかな?(笑)
スタート前であってもみんな笑顔で談笑してるいる。
これが川の道ランナーだと感じる。
タイムや順位ではなく、これから長く壮大な旅に出る旅人のようです。
AM9時 スタートです
みなさん笑顔で走り出します。
今年はどんな旅になるのか…
朝から気温は上昇していく。
日中荒川河川敷は日陰が無くコースも単調で厳しい区間です。
スタートしてから脚に任せて走る。
それほどペースは上げていない。
なんか今年は調子が良いなぁなんて思いながら走れている。
途中私設エイドで補給をさせて頂きながら進みました。しかし給水ボトルが後ろのポケットに入れていたため給水量が若干少ないかなって?感じておりました。
これが後で致命的なダメージを与えるとは思っていませんでした…
CP1彩湖畔39km 4月30日 IN13:36 OUT13:42
短めに補給をしてた再スタート。
脚が重い…200m程進むと両足の脹脛が激しい痙攣と痛みで真っ直ぐ歩けない…
目の前が真っ暗になった…
まだスタートして40kmも走っていないのに… まだこの時はただの痙攣だと思い攣り止め薬を飲んでみたりしたけど全く効かない…
なんとか騙し騙し走り歩きを続けるが気持ちはドン底…
CP2新上江橋東側 4月30日61.2km15:50
ランチパックなどを補給をして直ぐにスタート。
スタッフの皆さんと
延々と続く土手道…
この頃から脚全体に筋肉痛や関節痛が出始め、走るスピードはガタ落ち。
何とかCP3桜堤公園入口67.5km 18:43
昨年より40分程遅れている。
身体全体にダメージが広がっている。
シートに横になったら脚のいたるところが痙攣して起き上がれない…
もうここで万事休すか…
リタイアの文字が頭をよぎる…
少し横になり冷静に考える。
まだ時間はたっぷりあるじゃないか!
諦めるには早過ぎる。
必ず復活することを信じてスタッフのみなさんにお礼を言ってエイドを後にする。1人で真っ暗な道を走るというより歩くようなスピードで必死に前に進む。
痛くても辛くても必ず復活すると信じて新潟を目指して走り続ける。
後ろは振り返るなと自分に言い聞かせる。
真っ暗な土手を絶望と復活の境を彷徨いながら走り続ける。やっと荒川の土手から解放された。
CP4鴻巣市大芦橋南西側 4月30日76.6km 21:19
このCPの先から街中に入る。
コンビニや食事が出来る店が増えてくる。途中M岡さんとM山さんが応援に駆けつけてくれて力をもらう!ありがとうこざいました!
R17号に入り熊谷市方面に走る。途中のガストでチキンステーキを食べて補給。
偶然仲間のYさんも店に入って来た。
食事を済ませてから暫く並走させて頂くが直ぐに離れてしまい1人旅。
5月1日
CP5熊谷市 熊谷警察署前交差点 5月1日89.1km 00:42
熊谷市から深谷市に入る暗いR140をひた走る。黒田交差点を右折して旧R140に入り、寄居駅前を通ってCP6を目指す。夜が明けて漆黒の闇から解放される。
しかし走れない自分が情けなくて涙が流れ落ちる…
泣いてもどうにもならない事は分かっているけど涙が止まらない…
必ず復活する事を信じるしか術が無かった…
自分に頑張れと叱咤し続けた。
CP6寄居町 波久礼駅前T字路 5月1日110.9km 5:42
風が出て寒く感じる。
県道82号線に入り暫く坂道を上る。
上りきると長瀞へ一気に下り坂。
途中休憩していたベテランのRちゃんに身体の不調を話すと脱水している症状だよと言われ顔もげっそりしていると…
とにかくポカリやOS1と塩サプリをたけさんとった方がいいとアドバイスを受けて今の自分の状態が分かって少し安心した。
その後知り合いが応援に来てくれると連絡があり現在地点を連絡するが中々会えない…
すると突然物陰から現れてビックリ(笑)
たくさんの食べ物や飲み物を頂きました。
これから先に進む力をもらいました!
気温が上がり始めると体調も悪くなり力が入らない… コンビニでポカリと氷を買って乾いた身体に水分を補給しながら氷で股関節、臀部、脚をアイシング。ヨタヨタしながら走り歩きを繰り返す。
CP7 秩父市上野町交差点 5月1日132.8km 11:15
暑さで身体の中の体温も上がっている。
脚は完全にオーバーヒートしている。
臀部から股関節、無理をすると痙攣して筋肉が痛む…騙し騙し氷で冷やしながら走る。
秩父市内を走っていると横を赤いスポーツカーが視界に入った。よく見るとハリマネさんの顔が見えてビックリ!
運転席にはハリテンさんが見える!
手を振って声援に応える。
赤いスポーツカーはスーッと先に行ってしまいました。会えただけでも力をもらいました。
ポカリやOS1を飲んでアイシングしても身体の不調は改善されない…
どうしたらいいのか…
自分の経験値の無さ、引き出しの少なさに悔しくてまた涙が流れてきた…
泣いても解決しないのはわかっているが
涙が止まらない。
恥ずかしいからサングラスをかけて泣き顔を隠す。
暫く走ると前方にカメラを構えたハリテンさんの姿が見える。
少し先の路肩のスペースで待っていてくれました。冷たいドリンクやフルーツなどを頂いて現在の体調を話す。
胃は全く問題ないので沢山補給させて頂きました。ありがとうこざいました!
まだ380kmの距離を走るから必ず復活する事を信じて今の不調は全て受け入れて走るしかない。
CP8レストポイントで休んで復活を期待するしかない…
贄川T字路を右折して県道37号に入り急坂を暫く歩く。あと6kmほどで休めると思うと頑張れる!
朝応援に来てくれた方がCP8両神荘で待っていてくれる。
待たせると悪いから一生懸命に走る!しかしスピードが出ない… 情け無い…
両神の街中を走って見覚えのある建物が見えてきた。右折して両神荘の敷地に入ると2人の姿が見えてきて嬉しくなる。
脚はボロボロだから歩いていたら走れ!と檄が飛ぶ!(笑)
脚に鞭を打って走る!
CP8 小鹿野町 両神荘体育館5月1日174km IN16:24 OUT22:09
荷物の整理をしてからお風呂に入って汗を流してからシャワーでアイシング。
入浴後、食堂でまことちゃんカレーを頂く。スポーツエイドの舘山代表に身体の状態を話すと「必ず復活するから頑張って下さい!」と言われ自分もそれを信じるしかなかった…
体育館一面に敷かれた布団の空いている場所に潜り込んで寝る。
あっという間に落ちた…
ぐっすり寝て起きたら、ほとんど人がいない(笑)やばいやばいと起きて身支度をして食堂で補給。
約5時間半近く滞在し身体も少し回復していた。
1人で両神荘を出てゆっくり走り出す。R299の黒海土バイパス前交差点のローソンに寄って補給。
この先志賀坂峠、ぶどう峠を越えてR141に出るまで約73km位は夜間は自販機以外補給する場所がありません。
私設エイドはありますが御厚意なので無いものと考えております。
少しずつ民家が無くなり志賀坂峠に取り付き始めるとつづら折りの道を標高を上げながら進みます。
真っ暗な道を1人で進む。
頭がボーっとして暗闇に溶け込んでいく感覚になってくる…
眼下に下から登って来るランナーの灯りが見える。
5月2日
程なくして志賀坂トンネル入口に到着
CP9小鹿野町 志賀坂トンネル入口 5月2日174km 3:35
トンネル出口の私設エイドの方に暖かいコーンスープを頂き身体が温まる。
ここから下り坂で一気に神流町まで走る。この頃から夜が明けて暗闇から解放されてほっとする。
いつも暗くて見えない恐竜の足跡の岩を眺めてから神流の町へ!
全く余裕はないけど何故か新鮮です♫
楽しむのも川の道かなって思う(笑)
ここまでで180kmを走り身体は旅人になって来ている。
神流川沿いを走る。キラキラした川面を眺めながら川からの風が爽やかです。
トンネルをいくつか抜けると川の駅上野に到着。ぶどう峠に入る前に飲み物の補充。知り合いのエイドがまだやっていたので野菜スープやおにぎりを頂きました。いつもありがとうございます!
これでぶどう峠に向かうエネルギーは補充出来ました。歩道がなく狭い峠道を走り歩きしながら峠を目指す。
今年は気温が高いので夜中も寒くはなかった。峠まであと3km の看板があるがここからが長い!あの先が…あの先が…とニセピークに騙されながらやっと峠に到着する。
CP10 ぶどう峠 207.8km 5月2日 11:52
いつもお世話になっているT田さんに写真を撮って頂き、食事もご馳走になりました。ありがとうございました。
峠道からは下りで脚に負担がかからないように走る。
北相木村を走り抜けて小海町に入り、やっと補給ポイントの多いR141に出ました。
CP11小海大橋 228km5月2日15:09
332km辺りにある昨年も入った定食屋に立ち寄り半チャンラーメンを食べる。
店のご夫婦も覚えていてくれて嬉しそうでした。また来年も来ますと約束して店を後にしました。
佐久市を目指して走る。
小雨が降り始めたのでレインウエアを着る。寒さはなく適度に冷えて快適に走れる。
CP12 長土呂南交差点 251.7km 19:30
ここからレストポイントの小諸までは約8km 。
レストポイントの手前のコンビニで食事を買ってホテルへ向かう。
この頃には雨は止んでいた。このレストポイントはホテルの為、煮炊きが出来ないので個々に食事を用意しなければならないのです。
CP13 小諸グランドキャッスルホテル IN5月2日21:08 OUT5月3日3:52
入浴して食事を済ませてから寝室部屋行くが空きが無い。仕方ないから大広間の畳の上で座布団を枕で寝るが寝付かれない… ほとんど寝れないまま起きて1人で雨の小諸をスタートする。
雨足が強くなり始める。横を大型トラックがスピードを出して通り過ぎた瞬間バッシャーン!と水を浴びせられた…
でも腹は立たない(笑)
途中お腹が空いたのでコンビニでカップラーメンを食べて温まる。
今年は夜間の気温が高いから寒さは感じない。
東御市から上田市に入る。
上田駅周辺の市街地を抜けて坂道を上がるとCP14上田城跡入口です。
いつもは暗い時間に通過するのですが…
5月3日
CP14 上田市・上田城跡入口 5月3日7:54
お腹が空いたので牛丼屋でハンバーグ定食を食べる。炭水化物を摂り過ぎると眠くなるのでご飯は少なめで残す。
気温の上昇と共に身体の中に熱がこもり足取りは重くなる。走り歩きを繰り返しながら
前に進むが全くスピードで無い…
CP15篠ノ井橋北詰302.3kmを目指して前に進む。千曲川や景色を眺めながらゆっくり走り続ける。
途中昨年も食事をしたラーメン店に入るとI村さん、キャサリンの3人がいたので一緒に昼食をとりました。私は中華丼を食べて栄養補給。
店を出るとたまたま通りかかったスポーツカーの助手席の女性が私より先に出た仲間に応援の声をかけていたので知り合いかな?と思ったら、なんとM田夫妻でした。私に気が付いて直ぐ先の駐車場に入り暫く応援に来てくれたと言う事で感謝感激です!
ありがとうございました。
食事をしてからI村さんグループと別れ、メガネ店に入り壊れたサングラスが修理出来るか
見て貰うがこの店では出来ないとの事なので安いサングラスを購入する。
CP15B長野市 篠ノ井橋北詰 302.3km 5月3日14:22
CP16善光寺を目指して市街地を走る。途中コンビニで氷を買ってアイシング。
やはり下半身の筋肉がオーバーヒートしている。段々固まり始めているマッサージをしたり湿布を貼ったりしているがあまり効果は感じない…
橋を渡り善光寺に向かう途中で左脚脹脛が激しく固まり始めて着地すると激痛が走る。
しゃがみ込んで考える…まだ200km以上ある。ここで諦めるのか?ここまで良くやった自分を褒めて撤退するのか自分で決めなければならない。まてまて早まるなまだこの脚の痛みに対して何の処置もしてないじゃないか?そうだ駄目元でさっき買った湿布を貼ってみよう。湿布を貼り暫く歩いて様子をみた。30分位すると嘘の様に消えてしまいました。
やってみるもんだ。しかし無理は禁物、ペースはゆっくりで走る。
kyoさんスプレーありがとう!
CP16 長野市善光寺 316.5km 5月3日 17:33
善光寺の本堂を御参りして日が暮れる前に少しでも先に進みたいので先を急ぐ。
毎年コース途中のマンション前で私設エイドを出して下さる方が今年も川の道ランナーの為にドリンクなどを振舞って頂きありがとうございました。
その先にあるコンビニで温かいスープを補給。隣にいたEさんが胃の調子が悪くこの先
進むとエスケープ出来る箇所も無くなり気温も下がってくるのでDNFするか悩んでおられました。確かにこの先に進むとDNFしても夜間で交通手段が無くなると厳しい状況になるのは確かな区間です。その後EさんはここでDNFされたようです。
暫く夕暮れ時の国道沿いを走っていると左側のレストランの駐車場からまたまたM夫妻が
応援の為に待っていてくれました。朝から遅くまでありがとうございました。
真っ暗な国道を走ります。ここは一面リンゴ畑のアップル街道と言われている国道です。
暫く何もない国道を走っていく。もうすぐCP17です。
CP17 長野市浅野交差点 330.9km 5月3日21:39
S川さんの奥さんの私設エイドを出されており飲み物を頂きました。
ありがとうございました。
CP17の先にあるコンビニで補給してから出発。ここから先が交通量も減り真っ暗な道を進む緩いアップダウンを繰り返しながら進む。
R117のバイパスと旧道の分岐が現れる。昨年はバイパスを進んで上りが多くて余計な
疲労を溜めてしまったので今年は旧道を進みました。旧道は歩道も外灯も無くさびしい道ですがアップダウンが少なく楽に走れます。
345km付近の伍位野交差点でバイパスと旧道が合流。その先のコンビニで補給。
ここまで来ればCP18飯山駅まであと少し。
5月4日
CP18 飯山市飯山駅 347.8km 5月4日2:23
気温が下がってきたが昨年に比べたら暖かい
飯山駅を過ぎ市街地を抜けて千曲川沿いの土手をひた走る。
昼間なら千曲川河川敷に咲く満開の菜の花を見ながら走れるのだが…
道の駅千曲川の横を通り過ぎるとこの区間最もきついコースに入ります。
コンビニも橋の手前と先にあるコンビニで補給しないとこの先暫く補給ポイントが有りません。しかも夜間で気温が下がり疲労の蓄積で睡魔が激しくなる魔の区間です。
コンビニの横のコインランドリーの軒先で少し横になり身体を休めてから再スタートしました。R117をアップダウンを繰り返しながら進む、時折雨が降ったり止んだりするがさほど気にならない。逆に暑いので雨で身体が冷えて気持ちいがいい。
途中ともぷーエイドで美味しい長野郷土料理の笹ご飯などを頂きました。ありがとうございました。
もうこの頃から身体が曲がり始めている
CP19旧三箇小学校まであと少し3km手前のコンビニでビールを購入してM谷さんと飲みながら歩いていたらあれ関門時間14:00じゃなかったけ?とM谷さんが言い始めたので
ほろ酔い状態の二人がダッシュして21分前に滑り込んでセーフ。
しっかり気にしてないと駄目ですね。(反省)
CP19 津南町・旧三箇小学校 393km 5月4日IN13:39 OUT19:00
18:30に出発予定が寝過ぎてしまい30分遅れでスタート。
国道に出るまでゆっくり歩く国道に出てからコンビニで補給、ドラッグストアーでテーピングを購入。途中M谷さんは先に行ってもらい自分のペースで進むことにした。
コースは三回目だから覚えている。小千谷市に入り後ろからM田さんが追いついてきた睡魔に襲われてつらそうです。必死にダッシュをしたりして眠さに耐えようとしている。
5月5日
CP20 小千谷市・魚沼橋南詰 421.8km 5月5日00:55
CP20を過ぎてから遠くで雷が光り雷鳴が聞こえる。雨もぽつぽつ降ってきたが本降りにはならなかった。
またM田さんが後ろから猛然とダッシュして抜いて行き暫くすると先の路肩で倒れて寝ている。何度も何度も繰り返して眠さに耐えようとしている。戦っている…頑張れ!
関越自動車道の下をくぐり抜けトンネルを通過する。発電所の横を通り畑の先にみえたコンビニで補給。とにかく食べ続けないと走れなくなるのでこまめに補給する事が大切です。
ここから6km程度でCP21 小千谷市・三仏生(和田邸)です。
小千谷市の市街地を抜けた頃から夜が明け始めてきてやっと暗闇から解放される。
バイパスを抜けるとCP21です。
CP21 小千谷市・三仏生(和田邸)437.2km 5月5日4:53
カップワンタンとおにぎりを頂きました。
時間が無いのでお礼して直ぐに和田邸を後にしました。
この頃には完全に身体が左にくの字に傾いておりました。
あと77km走ればゴールだ…頑張ってくれと自分の身体に祈る。
CP21和田邸からCP22長岡市までは14km程度だが400km以上走って身体と現在の腰の状態では非常に遠く感じる。長岡市内に入り市街地の朝をゆっくり駆け抜けていきます。
CP22 長岡市・大手通交差点 451.8km 5月5日7:57
R352~県道498へと続く道を走る。長岡市から見附市に入る。
北陸自動車道・中之島見附ICから中之島流通団地付近は道間違えし易い箇所だから初めての方は要注意箇所です。R8の側道から上に上がりR8沿いに走り、コースは道なりに真っ直ぐです。途中店舗もたくさんあり補給には困らなくなりました。
もうこの頃には身体の完全に曲がった状態でバランスを取らないと真っ直ぐ走れなくなってきている。途中ラン仲間のK夫妻がエイドを出してくれておりました。
少しだけ補給させて頂き先に行かせて頂きました。時間に余裕が無く申し訳ありませんでした。歩いていては時間に間に合わない…少しでも走る時間を増やして進むしかない…
CP23 三条市・三条大橋南詰 474.9km 5月5日 12:57
信濃川沿いのR8を新潟市に向けてぎりぎりの走りで前に進む。
もうこれ以上スピードは落とすことは出来ない。きつい、辛い…
しかし旅人から川の道戦士に変わっている自分が身体も心も限界ではないからリタイヤする理由にはなら無いだろう?と自分に問いかける。
あと10km、あと1kmと距離を詰めていく距離をつないでいくしかない。
この先から新潟の約20kmの直線地獄が始まる。目標を小さくして進めば気が楽になる。
途中ラン友のK夫妻がエイドを出してくれていたが制限時間ギリギリだったのでお詫びして先に行かせて頂いた。
途中から単独走になり暗くなり始めてきた時間が迫ってくる焦りでコースを間違えたらと不安になってきた。暗くなる前にCP24に到着。
CP24 新潟市・大野大橋南詰 502.5km 5月5日 18:44
すると後ろから途中一緒に走っていた方が追いついてきてFさんも追い付いてきた。結局土手に上がるまでに4人になって先を急ぐ事になった。
北陸自動車道、上越新幹線のガードくぐってからその先にある側道を入りR116の下をくぐれば信濃川の土手に上がれる。ぎりぎりの走りでゴール制限時間に間に合うのか…
自分との勝負に賭ける!他の3人に食らい付いて走る。身体の大きな筋肉は使い切っているから小さな筋肉と身体の重心移動で前に行くしか手が無くなっていた…
新潟大橋、平成大橋、関屋大橋、有明大橋を超えて最後に新潟大堰の左側からCP24川の道岬の向う。岬は真っ暗だがスタッフやラン友のK夫妻がここにも来ていてくれた。もう感謝しかないです。
CP25 新潟市・日本海岸(川の道岬)510.4km 5月5日 20:16
写真を撮り直ぐにゴールのホンマ健康ランドへ
残り40分で3.6km どうって事が無い距離がとてつもない距離に感じる…
K夫妻が先導してくれる。ありがたい…
腰、背中、股関節、臀部からの痛みで身体のバランスが取れない手で腰を押してバランス取らないと左へ倒れ込むようになってきた。
もう身体は限界だった…ただ完走すると言う思いが身体の限界を上回っていた。
それにかけるしか術が無くなっていた…
声を振り絞って必ず完走する思いだけはつないでいた。
自分が何をしているのか何を叫んでいるのか混濁する位に追い込んでいた。
あと少し、もういける、間に合うぞ、かっこいいぞ(かっこ悪いんだけどね)…
Fさん、スタッフのKさんが一生懸命に声掛けをしてくれている。
前走るKさん夫妻が道を先導してくれて偶然にも信号は全て青でつながった。
最後の信号で前のグループに追い付いた。
ここで11人のグループになり一緒に走って通りから右折してから最後の路地を左折すると前方にゴールテープが見えた…あれが514km走ってきたゴール…
順番に最後の計測をしてゴール写真を撮って無事にゴール出来た。
GOAL 新潟市・ホンマ健康ランド514km 5月5日 20:53
身体はボロボロになって制限時間の約7分前ゴール
3回目の川の道にして初めて地獄を見たレースでした。
顔がほっとしてる(笑)
あらら…肉刺が…
自分はもっと良いタイムでゴール出来るはずだという驕りから補給不足から脱水になり記録どころか完走さえ危ぶまれる状態になりました。
今回の川の道から得た事もたくさんあり、人として足りないなって感じる事も有りました。
毎年ゴールしても感動しないのは何故なのか?
ゴールするともう走らなくていいんだって…ほっとしている自分…
まだまだ私の川の道は完結できなですね。
先日川の道ランナー、私設エイドの方々、スポーツエイドジャパンの舘山代表が集まり
打ち上げがありました。
その中で代表がお話しされた言葉が川の道に対する強い思いが感じられました。
川の道は日本の1ステージレースのジャーニーランで最長距離のレースです。
だから川の道戦士としてのプライドを持ちましょう。
代表の座右の銘です。
朝は希望に起き
昼は努力に生き
夜は感謝に眠る
川の道は希望の道
川の道は努力の道
川の道は感謝の道
もしレース中、辛くてリタイアしたくなったらこの言葉思い出して下さい。
必ず復活して完走できます!と言われておりました。
正にこの言葉通りに諦めないでレースを続けたから完走できたのかなって?
思っております。
今年もスポーツエイドジャパンのスタッフとボラの皆様、私設エイドの皆様、応援に来て頂いた皆様、一緒に日本海を目指した川の道戦士の皆様のおかげで完走する事が出来ました。
ありがとうございました。
































